Cut&Paset(切り貼り)系絵画
- 切絵は、Cut & Paste(切り貼り)系の絵画です。
この分野は絵画としてはあまり発達していなくて、一般的な認識がありません。ほとんどの場合"工芸"や"クラフト"に分類されています。
これは、Cut&Pasteの技術が、"使うための物を作り出す技術"としてスタートしているためだろうと思います。
- 切り貼り系絵画は、大きく二つに分類されます。一つは、面で表す技法によるもので、これはPaste(貼り)が主体になるようです。
Cut(切り)が主体のものは、線で絵を作る傾向があります。
- 海外では、この分野はコラージュとして認識されています。コラージュはフランス語で「貼り付ける」という意味で、Paste(貼り)系の絵画の分類になっています。
- 東アジア地域では、中国で発明された紙漉きの技術が各地に伝わり、紙を生活に取り入れてきました。そのため古くから切り紙があり、切り貼りの絵画となってきました。アジアの切り紙に繊細な線を切るものが多いのは、歴史的な事情が影響しているといえます。
Cut & Paste系絵画は次のように分類できます。
- 要技術の反対側は、技術が不要という意味ではなく、Cutする技術にあまり頼らないというものです。
ちぎり絵は、CutではなくTear(破る)&Pasteです。この技法を用いて 貼り絵という画家もいます。
- アップリケは通常は布で、Cut&stetchです。パッチワークとして芸術的に認められつつあります。
- 特殊素材というのは、現状では"手漉き紙"などが主になり、世界的に見ても日本・中国・朝鮮半島などに限られてしまい、ローカルな工芸とみられています。
- ペーパークラフトは、立体的なCut&Pasteという意味で入れました。作品の傾向から更に細分化することができます。素材によらないので、世界的に分布しています。
- 切絵は色々なタイプの絵画を包括したり、近い関係にあったりします。それが表現方法の違いになってきます。
切絵でも面で表現するものは、paint系絵画と同じく色を塗る感覚に近く、線で表現するものは、Draw系に似て線で絵を描く感覚に近いもとのです。
- 下記にその分類をしましたが、普通切絵を作る時は、絵の部分により使い分けられる事が多く、複合的に使われます。
面で表現する、面のタイプ
- シルエットタイプ
影の形。物の形を表し、一まとまりになっている。
影の形は、物の向きによって変化する。一番判り易い形を考えることが大切で、それが物の特徴を表している。
- 陰影タイプ
モノトーンの陰影で絵を作るもの。白黒で表現するものが多く、印象的な絵になる。
写真・コピー・パソコンなどを用いて陰影を分けた下絵が作れるが、目で見た陰影と、機械的に分けた陰影は異なることを理解しておく必要がある。
- アップリケタイプ
物の形や部分の形を切り抜き、それを重ねたり貼り合わせたりして全体の形を作る。各ピースはつながっていない。
- コラージュタイプ
アップリケと似ているが、意識的に形を切り抜かず、不定形のピースを複合的に重ねたり貼り合わせたりして全体の形を作る。絵の具を塗っていく感覚に近い。
この方法だけで絵を作る場合、コラージュ、貼り絵、ちぎり絵などと呼ばれる。切絵では、よく彩色に使われる技法。
- 半立体タイプ
平面ではなく、レリーフ状に凸凹しているもの。
アップリケタイプを凸型に立体的にしたもの、影で立体感をだすもの、紙の厚さを利用するもの、シャドーボックスなど。
(立体との違いは、立体は作品の周囲から鑑賞できるもので、ここでいう半立体は、平面ではないが平面と同じく一方向の視点から鑑賞するもの。)
線で表現する、線のタイプ
- 描線タイプ
絵画の描線をそのまま切って表現したもの。筆文字なども。筆の勢いが出る。
描いた線の縁を切るため、エッジ(縁)がはっきり分かる筆記具で描く必要がある。
- 輪郭線タイプ
日本の切絵に多いタイプ。
形の輪郭を線でとらえ、線画として切る。
線の内側に色を入れることが多く、線に囲まれた部分(面)を重視するので、線自体の勢いなどはあまり考えない。
輪郭線によって表現する絵は絵画の常道だが、輪郭線が太くなると立体感が損なわれ、平面的になる。
その他
- 切り紙と型紙
切絵のルーツに当たる二つの形。
どちらもバラバラにならないように図柄がつながっていて、貼り付ける必要がない。
- 切り紙は、図柄や飾りとして使われたものが原型。紙を折って切るものもある。 幣、七夕飾り、中国の剪紙、など
- 型紙は、彫る道具や技術がそのまま切絵に使われるようになった。絵画としては、版画、シルクスクリーンなどと同じPrint系。
着物の絵付け、ステンシル、シルクスクリーンの カッティング法など
- パフォーマンス
演芸としての紙切り、寿司のバランなど、客の前で即興で作るもの。展示会等での実演も入るか。

